公務員の種類とその仕事をわかりやすく解説!【国家公務員編】

国家総合職
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皆さんは、公務員というと、霞が関の省庁で働く国家公務員、市役所で働く地方公務員、あるいは警察官・消防官などをイメージされる方が多いのではないでしょうか。

公務員というと、それ以外にも数多くの種類が存在しており、職務内容や勤務地、待遇なども異なっています。

そこで、今回は公務員の種類について、仕事内容と勤務地の観点からご紹介していきたいと思います。

公務員は大きく2つに分けられる!

公務員の仕事は、国家公務員地方公務員の大きく2つに分けられます。

国家公務員は、日本全体を支える分野別のスペシャリストです。

採用官庁によってある程度専門性の高い内容になります。

そのため、「この分野で仕事がしたい」「こんな仕事にやりがいを感じる」等の考えがある程度明確に決まっている方に向いているといえます。

地方公務員は、地域住民を支えるゼネラリストです。

地方自治体の職員として採用されると、2年~5年の周期で配属先の異動が行われます。

しかも、全く異なる分野への異動となることも珍しくはありません。

職務内容にこだわくことなく、「○○県、○○市、○○町で働きたい」といった働く職場を重視したいと考える方に向いています。

それでは、国家公務員と地方公務員それぞれ詳しく見ていきます。

中でも今回は、国家公務員の種類についてご紹介していきます。

国家公務員の種類

先ほど、国家公務員は日本全体を支える分野別のスペシャリストだとご紹介しました。

国家公務員は、行政府・司法府・立法府の各国家機関で働くスペシャリストです。

行政府は、1府12省庁や各出先機関等に勤務する国家公務員。

司法府は、裁判所に勤務する国家公務員。

立法府は、国会(衆議院・参議院・国立国会図書館)に勤務する国家公務員です。

それでは、行政府・司法府・立法府別に国家公務員の種類を見ていきます。

行政府

行政府で働く国家公務員は、1府12省庁各出先機関等に勤務しています。

各府省庁で政策立案やその実行を支える仕事をしています。

行政府で働く職員は、試験区分によって以下のとおり分類されます

国家総合職

国家総合職は、いわゆる「キャリア組」と呼ばれる試験種です。

中央官庁の幹部候補として政策の企画・立案に携わり、国家一般職よりも早いスピードで昇進していきます。

ちなみに国家総合職試験を行う人事院のよると、国家総合職は、「主として政策の企画立案等の高度の知識、技術又は経験を必要とする業務に従事する係員の採用試験」とされています。

東京の霞が関にある各府省で採用されます。出先機関での採用はありません。

試験は、行政、政治・国際、法律、経済、人間科学、工学、数理科学・物理・地球科学、化学・生物・薬学、農業科学・水産、農業農村工学、森林・自然環境と様々な区分が用意されています。

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基本的に東京(霞が関)勤務ですが、省庁によっては23年程度の間隔で地方への出向(転勤)があります。

本人の希望や適性も考慮したうえで、海外留学や他府省、地方公共団体、国際機関、民間勤務など、様々な勤務経験を積むことが可能です。

国家一般職

国家一般職は、中央官庁や出先機関に勤務する、主として事務処理等の定型的な業務に従事する国家公務員です。主に政策の実行役を担います。

そして、機関によっては窓口業務があり、ハローワークの職員や法務局の職員がそれです。

国家総合職と異なり、中央官庁のみならず、各エリアごとに設置された出先機関でも採用される点が特徴です。

国の出先機関とは、○○省関東○○局ような名を持つ機関が一般的です。

出先機関の詳細については下の記事でご紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。

【国家一般職の採用先】出先機関一覧
国家一般職に採用された場合、大きく分けて二通りの働き方が考えられます。第一に本省に勤務し、国の政策の企画・立案に携わる業務。第二に出先機関に勤務し、本省で企画・立案された政策を実施・ 監督する業務です。 今回は、国家一般職の採用先の中...

国家一般職では、行政、電気・電子・情報、機械、土木、建築、物理、化学、農学、農業農村工学、林学といった区分が用意されています。

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中央省庁のみならず、税関や労働局などの出先機関も含めた幅広い選択肢の中から勤務先を選択できるのが特徴です。

海外留学や他府省、地方公共団体、国際機関、民間勤務への異動は少なめです。

こうした出先機関での採用は、勤務地域はある程度限定されており、管区内の本局や事務局に勤務します。

自宅勤務圏内で勤務できる可能性が高い国家公務員といえるでしょう。

国家専門職

国家専門職は、国家公務員の中でも、スペシャリスト的な技能を要する仕事に従事する職員の試験区分です。

そのため、勤務先官庁を限定して職員を募集しています。

国家総合職や国家一般職よりも、より専門的な技能を要する仕事を担うことになります。

国家専門職に分類される試験は、外務専門官、国税専門官、財務専門官、労働基準監督官、皇宮護衛官、航空管制官、食品衛生監視員などが該当します。

仕事内容や勤務地は、それぞれの試験種ごとで異なります。

今回は、外務専門官、国税専門官、財務専門官、労働基準監督官について詳しくご紹介します。

外務専門官(外交官)

外務省が独自に実施する採用試験です。

外務専門職(外交官)を端的に表すと、言語と地域のスペシャリストです。

外務省本省と世界200か所の在外公館(大使館・総領事館・政治代表部)に勤務することになります。

高い語学能力と専門知識を武器に、関連地域の社会、文化、歴史等に通じた外務省の職員です。

仕事内容は、担当言語を母国語とする特定の国(地域)に駐在し、経済、安保、国連、経済協力、条約等様々な分野で日本との橋渡し役です。

研修が非常に充実しているのが特徴です。

外務省研修所や海外大学での留学をすることができ、担当語のプロフェッショナルになることが可能です。

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外務省本省と世界200か所の在外公館(大使館・総領事館・政治代表部)に勤務し、34年程度の間隔で異動します。

内定後は、在任中の半分が海外での勤務となります。

国税専門官

国税専門官を端的に表すと、日本の税制を支える税務のスペシャリストです。

全国各地の国税局や税務署に勤務し、法律・経済・会計に関する知識を駆使して、申告納税制度を支える専門職であり、国税局の職員です。

国税専門官は、各国税局ごとの採用となります。

霞が関の国税庁での採用とはならないため、全国転勤とはなりません。

国税専門官は、職名ではなく、試験名を指します。

国税専門官は、業務に応じて、「国税調査官」、「国税徴収官」、「国税査察官」に分類されます。

国税専門官は、適正な申告が行われているかの調査・検査・指導などを行う「国税調査官」、税金の督促や滞納処分、納税に関する指導などを行う「国税徴収官」、悪質な脱税者に対する強制捜査・捜索・差押え・告発などを行う「国税査察官」のいずれかに該当します。

国税専門官についても研修制度が充実しています。

採用後は、税務大学校での研修を通じて、税金や会計に関する基礎知識を修得研修終了後に税務署や国税局に配属されます。

専門知識や技能を身につけながら仕事ができます。

勤続年数に応じ、国家資格である税理士の科目合格や税理士資格が得られるのも特徴です。

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国税専門官は、各国税局ごとの採用となります。

各国税局ごとの採用となるため、勤務地域はある程度限定されており、管区内の本局や税務署に勤務します。

霞が関の国税庁での採用とはならないため、全国転勤とはなりません。

自宅勤務圏内で勤務できる可能性が高い国家公務員といえるでしょう。

財務専門官

財務専門官は、主に全国各地の財務局で働く、財政・金融等のプロフェッショナルです。

財務専門官は、財務省の出先機関である各財務局に勤務し、地域のニーズを把握しながら、財政、金融、調査などのプロフェッショナルとして各部門で財務省および金融庁の施策の担い手と働きます。

地域の特性にあった幅広い施策を実施するとともに、地域にとって必要な施策を国の政策に反映させる重要な役目を果たしています。

機会があれば、財務省・金融庁に出向し、国の政策の企画・立案に携わることもあります。

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各財務局ごとの採用となるため、勤務地域はある程度限定されており、管区内の本局や事務所に勤務します。

霞が関の財務省での採用とはならないため、全国転勤とはなりません。

自宅勤務圏内で勤務できる可能性が高い国家公務員といえるでしょう。

労働基準監督官

労働基準監督官は、民間企業の労働者を守る労働Gメンです。

労働関係法令に基づき、労働条件・安全、衛生の確保・改善を促進する厚生労働省の職員です。

労働基準監督官の業務は、主に以下の3点です。

労働条件や健康管理状況等について調査・指導を行う「臨検監督」、労働災害発生状況や原因について調査・再発防止指導を行う「災害調査」、労働関係法令違反に対し、特別司法警察員として捜査・送検を行う「司法処分」です。

他の職種に比べて庁外業務が多いのが特徴です。

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厚生労働省の専門職として、都道府県労働局や労働基準監督署に配属されます。

採用は、各都道府県労働局ごとであるため、勤務地域はある程度限定されており、管区内の本局や労働基準監督署に勤務します。

採用後は、主に採用された労働局管内の労働基準監督署で勤務します。

司法府

司法府で働く国家公務員は、裁判所に勤務しています。

つまり、裁判所の職員です。

裁判所の職員は、試験区分ごとに、裁判官、裁判所総合職・裁判所一般職および家庭裁判所調査官補の大きく3つに分けられます。

裁判官

裁判官とは、広くはおよそ紛争を法律的に裁定する権限をもつ者をいいますが、通例は、裁判所を構成し裁判事務を担当することを本来の任務とする裁判所の職員を指します。

裁判官は、原則として、司法試験に合格し、司法修習を終えた人の中から任命されます。

日本では、最高裁判所長官、最高裁判所判事、高等裁判所長官、判事、判事補および簡易裁判所判事の6種類があります。

最高裁判所長官は、内閣の指名に基づいて天皇が任命し (憲法6条2項) 、その他の最高裁判所判事は内閣が任命します(79条1項) 。

高等裁判所長官、判事、判事補および簡易裁判所判事は、最高裁判所が指名した者の名簿によって内閣が任命します (80条1項,裁判所法 40) 。

ただ、裁判官の中でも、最高裁判所判事は、学識経験者などから任命されることがあります。

簡易裁判所判事については、司法修習を終えた人でなくても必要な知識があれば、任命されることがあります。

裁判所総合職・裁判所一般職

裁判所総合職は、政策の企画立案等に係る高い能力を有するかどうかを重視して行う採用試験で、裁判所事務官として採用されます。

裁判所一般職は、的確な事務処理に係る能力を有するかどうかを重視して行う採用試験で、裁判所事務官として採用されます。

裁判所総合職・裁判所一般職は、各裁判所の裁判部門司法行政部門に配置されます。

裁判部門は、民事部刑事部に分かれており、裁判官が事件を審理裁判する際に、裁判所書記官・家庭裁判所調査官等とともに裁判を支える仕事をします。

一方、司法行政部門では、事務局(総務課、人事課、会計課等)が設置され、裁判事務の円滑的、効率的な運用を図るため、人的、設備的な面で裁判部門をサポートする仕事を担います。

最初は、裁判所事務官として働くことになりますが、内部試験により、裁判所書記官へのステップアップの道が開かれています。

裁判所事務官から裁判所書記官になるためには、裁判所職員として一定期間勤務した後、裁判所職員総合研修所入所試験に合格し、合同研修で約1~2年の研修を受ける必要があります。

裁判所書記官は、法律の専門家として固有の権限を有する法律専門職です。

その権限に基づき、法廷に立会い、調書を作成するほか、法令や判例を調査したり、弁護士や検察官と打合せを行うなどして、裁判の円滑な進行を確保する役割を担っています。

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全国の高等裁判所ごとで採用になるため、勤務地域はある程度限定されています。

基本的に高等裁判所の管轄内の異動になります。

家庭裁判所調査官補

家庭裁判所調査官補は、家庭裁判所調査官になるための採用区分です。

家庭裁判所は、夫婦や親族間の争いなどの家庭に関する問題を家事審判や家事調停、人事訴訟などによって解決するほか、非行をした少年について処分を決定します。

いずれも法律的な解決を図るだけでなく、事件の背後にある人間関係や環境を考慮した解決が求められます。

家庭裁判所調査官は、このような観点から、例えば、離婚、親権者の指定・変更等の紛争当事者や事件送致された少年及びその保護者を調査し、紛争の原因や少年が非行に至った動機、生育歴、生活環境等を調査します。

家庭裁判所調査官になるためには、家庭裁判所調査官補として採用後、裁判所職員総合研修所に入所し、約2年間の研修を受ける必要があります。

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全国の高等裁判所ごとで採用になるため、勤務地域はある程度限定されています。

基本的に高等裁判所の管轄内の異動になります。

立法府

立法府で働く国家公務員は、衆議院事務局、参議院事務局、国立国会図書館の職員です。

衆議院事務局職員・参議院事務局職員

衆議院事務局・参議院事務局は、議院の自律権に基づき、衆議院・参議院の事務を処理するため置かれている機関です。

主に会議運営部門・調査部門・総務部門で、各議会の運営サポートを担当しています。

運営面から会議体をサポートする「会議運営部門」、政策立案を支援する議会シンクタンクである「調査部門」、広報活動、院の国際交流等多角的に院の活動をサポートする「総務部門」の3部門、このほか会議の速記を行う記録部、議院警察を行う警務部に分けることができます。

そこで働く職員は、特別職の国家公務員とされ、国会の立法活動を補佐するさまざまな仕事に従事しています。

その仕事は、政治のダイナミズムの中で、迅速・適確に事務処理を進めていくことが求められており、国権の最高機関で議会制民主主義を陰で支える仕事です。

例年採用人数が多くないことから倍率が上がりがちなので併願受験をする受験生が大多数です。

衆議院と参議院はそれぞれ別の機関であり、別々に採用試験を実施しています。

衆議院事務局は、総合職(大卒程度)、一般職(大卒程度)、一般職(高卒程度)と試験区分が分かれています。

一方、参議院事務局は、総合職(大卒程度)、一般職(高卒程度)と試験区分が分かれています。

つまり、衆議院事務局の大卒程度の試験は、総合職しかないのです。

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基本的に、国会議事堂内及びその周辺(分館、第一議員会館、第二議員会館、第一別館、第二別館等)になります。

転勤を伴う異動はありません。

次回は、地方公務員について詳しくご紹介します。

国立国会図書館職員

国立国会図書館は立法府に属し、国会、行政、司法の各部門及び一般公衆に対して幅広いサービスを提供しています。

国立国会図書館の業務は、調査業務・司書業務・一般事務に分けられ、総合職試験、一般職試験での採用者はこれら3つの業務の様々な仕事を担います。

つまり、国立国会図書館職員として採用されると、定期的な異動によって、調査業務・司書業務・一般事務の様々な業務を経験します。

採用試験の専門科目や大学等での専攻によって固定されたキャリアパスはなく、職員それぞれの適性や希望に応じて、多様なキャリアを歩んでいきます。

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国立国会図書館職員は、国会職員(特別職国家公務員)であり、東京本館(東京都千代田区永田町)、関西館(京都府相楽郡精華町)又は国際子ども図書館(東京都台東区上野公園)で勤務します。

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