公務員試験を意識している人のうち、公務員試験がどのような手続きや選考を経て、合格までのいたるのか、その受験するまでの流れや受け方などを知りたいと考えている方がいらっしゃるかもしれません。
今回は、そうした公務員試験の全体の流れを知りたい方のために、簡単な受験・合格までのフローをご紹介していきたいと思います。
今回ご紹介するのは、一般的な市役所の受験フローについてです。
市役所の受験スケジュールと採用までの流れ
①説明会、インターン
市役所では、年間を通じて、市役所独自のものから大学、資格予備校、就活フェアに出展しているものまであらゆる日程、場所で説明会が開催されています。
予約の有無は、説明会ごとに異なるので確認をする必要があります。
インターンについては、毎年の夏季を中心に数日間から数週間の期間でインターンの受け入れを行なっている自治体がほとんどです。
インターンについては、書類選考がある自治体が主ですので、応募したからといって必ずしも参加できるわけではありません。
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②受験申込
毎年、全国の市役所では4月上旬ごろから8月にかけて受験申込が開始されます。
最も受験申込が早く開始される傾向があるのが、地方上級やA日程市役所に該当する自治体です。
日程の区分については下記の記事でご紹介していますので、ぜひご覧ください。
ただし、地方上級やA日程市役所よりも早くから受験申込を開始する自治体も多数あるため、受験予定の自治体の受験案内をしっかりと確認しておく必要があります。
申込期間は数日しかありませんので注意が必要です。
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③第一次試験
一次試験では、多くの自治体で筆記試験(教養試験or教養試験+専門試験)が行われます。
中には、一次試験で論文や性格検査が課される自治体もあります。
一次試験では一般的に筆記の試験となります。
また、一次試験の前に受付面接を行う自治体があります。
受付面接とは、一次試験である筆記試験を受ける前に履歴書を持参して直接市役所を訪れ、軽い面接を行うものです。
この受付面接を通過することで、一次試験を受けることができます。
千葉市 行政A
筆記試験(教養試験+専門試験)+面談試験
三鷹市
筆記試験(教養試験+専門試験)
武蔵野市
筆記試験(教養試験)
横浜市
筆記試験(教養試験+論文)
厚木市
筆記試験(教養試験)
浦安市
筆記試験(教養試験+論文試験)+適性試験
名古屋市 行政一般
筆記試験(教養試験)
大阪市
筆記試験(教養試験)
堺市
筆記試験(教養試験+専門試験)
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④第一次試験合格発表
一次試験の合格発表は、筆記試験(教養試験or教養試験+専門試験)の合計から合否が決定されます。
各日程の市役所の一次試験の難易度については下記の記事でご紹介していますので、ぜひご覧ください。
ただし、千葉市等のように、中には一次試験の段階から面接試験を課す自治体も存在しますので、受験自治体の受験案内をチェックしておく必要があります。
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⑤第二次試験
二次試験から自治体ごとの採用にカラーが出てきます。
とはいえ、多くの自治体で二次試験に共通して言えるのが、筆記だけでなく人物試験が始まるという点です。
二次試験の具体例としていくつかの自治体の内容をご紹介します。
千葉市 行政A
論文+適性検査+個別面接(最終面接)
三鷹市
エントリー審査+個別面接
武蔵野市
集団討論+小論文
横浜市
面談
厚木市
集団面接+個別面接
浦安市
集団討論
名古屋市 行政一般
個別面接①+個別面接②(最終面接)+論文試験
大阪市
論文試験or筆記試験(専門試験)※1、2
※1…「論文(行政)」又は「択一式(法律)」のうち、いずれか一方を受験申込時に選択
※2…第一次試験の試験日に行われます。
堺市
論文試験+個別面接
上記の自治体を見ての通り自治体ごとで二次試験で課す試験は異なっています。
とはいえ、個別面接は多くの自治体の二次試験で課されます。
また、一次試験で論文が課されなかった自治体は、二次試験で論文が課される傾向にあります。
個別面接は、多くの自治体で受験者1人に対して係長クラス〜課長クラス複数人で構成された面接官による形式で行われます。
また、面接試験とは別日で集団討論(グループワーク)を課す自治体もあります。
中には千葉市のように、一次試験、二次試験でぎゅっと詰め込み、二次試験を終えた段階で最終合格、つまり内々定をもらうことができる自治体も存在します。
私が受験した2つの市役所の第二次試験の内容は、以下の記事で詳細にご紹介しています。参考にして下さい。
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⑥第二次試験合格発表
二次試験の結果は、二次試験の点数、あるいは一次試験と二次試験の合計で決定されます。
合格基準は自治体ごとで異なります。
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⑦第三次試験or最終試験orなし
三次試験=最終面接という自治体もあれば、四次試験=最終面接という自治体もあります。
試験内容としては、ほとんどの自治体で個別面接が行われます。
担当する面接官についても二次より年齢、役職ともに上がります。
名古屋市のように三次試験を終えた段階で最終合格者の発表がある自治体もそこそこあります。
二次試験と同様、試験内容が自治体ごとで異なりますので、具体例をご紹介します。
千葉市 行政A
なし
三鷹市
行動対応検査
武蔵野市
個別面接
横浜市
個別面接(最終面接)
厚木市
個別面接
浦安市
個別面接(最終面接)
名古屋市
なし
大阪市
個別面接(最終面接)
堺市
個別面接(最終面接)
私が経験した市役所の面接を他の記事でご紹介しています。参考にして下さい。
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⑧第三次試験合格発表
三次試験の合格発表は、一次、二次、三次の合計点数あるいは三次試験の点数をもとに合格者が発表されます。
合格基準の算定方法は、自治体ごとで異なります。
⑨第四次試験(最終試験)orなし
四次試験までに選考が終わる自治体がほとんどです。
5次試験まで選考がある自治体は少数派です。
受験者数の多い政令指定都市は、四次面接を待たずに最終合格者が決まる傾向にあります。
試験内容としては、個別面接(最終面接)のみという自治体がほとんどです。
以下、具体的な自治体の例をご紹介します。
千葉市 行政A
なし
三鷹市
個別面接(最終面接)
武蔵野市
個別面接(最終試験)
横浜市の二次試験
なし
厚木市の二次試験
個別面接(最終面接)
浦安市の二次試験
なし
名古屋市の二次試験
なし
大阪市の二次試験
なし
堺市の二次試験
なし
⑩最終合格発表
都道府県及び市町村は、最終合格=内々定という自治体が大多数です。
つまり、最終合格すれば、晴れて来春から市役所職員として働けることを意味しています。
採用内定(10月)
採用面接または採用面接後に内々定を頂き、10月以降に内定通知を受けます。
注意点とポイント
まず1番注意していただきたいのが、受験申込日です。
試験日よりもかなり前から申込の締め切りをする自治体もあることから、受験申込日のチェックが欠かせません。
その次に各試験日程の開催日時にも注意が必要です。
試験日については、忘れることはないかと思いますが、受験日はある一日と決まっていますので注意してください。
最後に説明会には極力参加するように心がけてください。
できればインターンに参加しておくと、職場のイメージをすることができ、志望動機の一つとして使えます。
志望度の高さと採用担当者に名前を覚えて貰える良い機会です。
また、面接ネタの一つになるかもしれません。
私も様々な試験種の志望動機を考える上でこの説明会が役立ちました。
公務員の仕事のイメージが湧き、様々ある公務員の試験種から自分が第一志望とする試験種が見つかるかもしれません。
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