今回は国税専門官の面接について私の体験談を紹介いたします。
国税専門官は、最終合格をしただけでは内定にはなりません。
国税専門官は、二次試験のあと最終合格者発表があります。
最終合格者発表で合格した受験者は合格者名簿に記載されます。
記載された受験者は、各国税局で採用面接を行い、そこで内定を告げられないと来春から国税局の職員として働けないのです。
そのため、国税専門官は、内定を獲得できるか否かという意味で面接が非常に重要といえる試験種なのです。
そこで、今回は、私が体験した国税専門官の面接の内容をありままご紹介しますので、ぜひ皆さんの面接対策の参考にしてただければと思います。
国税専門官の面接
今回は、私が国税専門官の面接試験(二次面接)を受験した内容を紹介していきたいと思います。
国税専門官試験は、面接(二次試験)を終え最終合格通知が約1か月後に発表されます。
最終合格通知が発表されたら内定を勝ち取れるかというと残念ながらそうではありません。
最終合格しただけでは、まだ内定は決まっていないのです。
二次試験で合格した最終合格者を対象に採用面接が行われます。
採用面接の内容については後述しますが、採用面接は、面接官2人、受験者1人の個別面接形式で行われました。
面接官は2名とも国税局職員です。
採用面接で聞かれる内容は、二次面接で聞かれた内容の確認や併願状況を聞かれた程度でした。
採用面接というより採用面談といったような雰囲気でした。
私が受験した国税局は「あなたを採用を前提に検討しています」といった口ぶりで採用面接は進められていきました。
こうしたことから、勝負は、二次試験の面接といえます。
では早速、二次試験の詳細について紹介していきたいと思います。
二次試験の面接形式
国税専門官の面接(二次試験)は、面接官3人、受験者1人の個別面接形式で行われます。
面接官3人の内訳は、人事院の職員が2人と国税局職員1人のようでした。
適性試験
二次面接と同日に適性検査があります。
適性検査は、特に対策の必要はないです。
問われる内容は、簡単なもので「あなたは、神に選ばれていると感じるか」「些細なことでよく悩むか」といった明らかに違う答えやすい内容が大半でした。
どうやら職員とうまくやっていける人物か、ストレス耐性はあるかといったものを聞いているように感じます。
国税専門官の適性検査は、社交性とストレス耐性を判断することを重視していることから、
適性検査において問われている設問のうちストレスや社交性について問われているものは少し注目した方して回答した方がいいと思います。
その他の設問は、常識の範囲内で答えれば問題はないように思います。
適性検査全般に言えることですが、熟考した回答ではなく、直観的な回答を採用者側は求めています。
ですから、回答間違い、うっかりミスは想定範囲内に入っているわけだからどんどん進んだ方がいいと思います。
あまり神経質に考えてしまうと、かえって不自然な回答になり、時間内に回答が終わらないことになりかねません。
これといった対策は、必要ないと思います。
当日の自分の体調次第で回答が変わってくることも大いに考えられる質問内容だったので、体調を整えて臨むことが大切です。
正確には覚えていませんが、
「夜眠れないで困ることがよくあるか」
「気分が変わりやすいか」
「すぐに涙ぐむ方であるか」
「人前で顔が赤くなることがよくあるか」
「自分はまじめであると思うか」
「与えられた仕事は完璧にできないと気がすまないか」
といったような質問がありました。
二次試験の面接時間
1人15分程度でした。
15分より長い20分以上かかった友人や、短い10分で終えた友人も合格しています。時間の長短はあまり関係ないでしょう。
国税専門官の面接の特徴は、時間が短小であるという点です。
他の試験種と比べても15分という時間は短いといえます。
短いということは、限られた時間で自分をアピールしなければならないとも言えます。
積極的に自分のエピソードと交えてアピールしていきましょう。
二次試験の面接の雰囲気
基本的には穏やかな雰囲気の面接です。
受験番号によって面接を受ける部屋は決められていました。
性格検査の結果や筆記試験の結果で面接の部屋が割り振られるということはないと思います。
ただ、同じ面接部屋で面接を受けた受験生でも面接官の態度が異なるということがあったようです。
つまり、同じ面接官でも受験生ごとに態度を変えていたようです。
私と同じ面接官に面接を受けた友人と話したところ、面接官の態度が全く異なっていました。
私の推測ですが、受験者が面接部屋に入室したときや受け答えをしているときの雰囲気や性格検査の結果で態度を変えているのでしょう。
性格検査でストレス耐性が小さい結果が出た受験者や、入室や受け答えで自信なさげな態度をとってしまった受験者は、高圧的な態度を装った面接を受けることになるのではないでしょうか。
国税局職員は、高圧的な納税者に対しても公平公正な毅然とした態度が求められます。
面接でその点を試されているのではないでしょうか。
高圧的な面接を受けた場合も、動揺せずいつも通り笑顔で受け答えできれば、何ら問題はありません。
圧迫面接を受けたと言っていた友人も合格していました。
二次試験の面接の評価
A、B、C、D、Eの5段階で評価されます。
国税専門官は、D以下は足切りで不合格となってしまいます。
国家一般職も人事院面接はA、B、C、D、Eの5段階評価ですが、Eのみ足切りですので国税専門官の方が面接はシビアかもしれません。
ただし、国税専門官の面接は国家一般職よりもより人柄重視といった印象でした。
明るく笑顔で元気に受け答えすれば、高評価をもらえることでしょう。
A、B、C、D、E評価それぞれの構成割合は、概ね例年では以下のとおりとなっています。
A評価(約15%)、B評価(約30%)、C評価(約30%)、D評価(約20%)、E評価(約5%)
この割合は、全国の各国税局によって若干異なっています。そのため、一概に上記の割合で分布しているとは言い切れないことから、あくまで参考値としてください。
質問内容(私の体験談)
二次試験の面接は、持参した面接カードに沿って質問される形式で行われました。
面接カードに書いた内容の詳細を具体的なエピソードを含めて話せると印象が良くなります。
以下私が質問された内容を聞かれた順に紹介していきます。
- よく寝れたか?
- 面接は初めてか?
- 併願先は?
- 第1志望は?
- 志望動機を1分以内で教えて
- 他の官庁と比べて国税専門官の魅力を教えて
- 学生時代に最も力を入れて取り組んだことは
- サークルはどのようなことをするサークルですか?
- そのサークルに入ったきっかけは何ですか?
- ゼミの研究内容を教えて下さい
- その研究からどのような点が今後の課題と言えますか?
- なぜそれが課題であると考えるのか?
- あなたの長所を教えて下さい
- クレームを言われても大丈夫か?
- クレームにはどのように対処するか?
- 体力に自信があるか?
- 大病をしたことがあるか?
- 転勤は大丈夫ですか?
- 最後に自己PR
以上が私が記憶している範囲での二次試験で聞かれた質問です。
15分間で20問程度質問を受けました。
1問に対する回答は1分以下ということになります。
質問に対する回答は、簡潔に答えた方が好印象です。
長々と回答してしまうと面接官との会話のキャッチボールが円滑に進まなくなってしまいます。
簡潔に答えることで、面接官との会話が弾み、面接官からの印象が良くなります。
では、簡潔に答えるとはどのような回答を指すのか。
それは、結論+根拠となるエピソードを30秒以内に答えることが大体の目安です。
二次面接後の電話について
二次面接を終えた後に、面接試験を受験した国税局から電話がかかってくるケースがよくあります。
電話の主な内容は、二次面接の評価について(電話がかかってくるということは大体高評価をしているという内容です)と採用面接の試験日程の確認、採用面接に来てほしいとの案内です。
二次面接後に電話がかかって聞くるということは、二次面接がうまくいったことを示唆していると思われるかもしれません。
しかし、その考えについて私は半分賛成、半分反対です。
なぜなら、私は採用面接まで一度も国税局から電話がかかってきませんでしたが、二次試験の面接は高評価を頂いており、採用面接の中で内々定をいただけたからです。
一方、電話が来たにもかかわらず、二次試験の面接の評価はCで、採用面接では内定をもらえなかった友人がいました。
その友人が受けた電話の内容は、「二次面接の評価が良いため、ぜひ国税局に来てほしい。採用面接には来てくれるか?」といった趣旨のものとのこと。
ちなみに私の二次試験の面接の評価は、B評価でした。
B評価の私には電話は来ませんでしたが、C評価の友人には電話は来ました。
必ずしも電話の有無が採用面接の合否に影響するとは言えませんし、電話の内容で二次面接の結果を判断することもできないかと思います。
電話が来た来ないであまり一喜一憂しすぎないようにしましょう。
国税局からかかってくる電話については下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
採用面接について
採用面接は、採用面接というの意向確認面談のようなものだと考えています。
私が受験した国税局は、採用面接が1回のみ、面接時間も5分程度と非常に短いものでした。
採用面接の回数は、どの受験者も1回のみようでした。
全国の国税局によって採用面接の回数は異なっており、2回行う国税局もあります。
私が受けた採用面接は、二次試験の面接とは打って変わって、国税局の人事課職員2名と雑談形式でお話をするような非常にやりやすいものでした。
一応、提出していた面接カードが面接官の手元にあったようでしたが、面接カードから質問されることはありませんでした。
採用面接の質問
1.二次試験の面接の評価
2.併願状況
3.国税局の志望順位
4.国税局の志望度
5.国税局に来てくれるか
採用面接の質問内容は以上です。採用面接は、面接というよりも採用を前提とした面談のようでした。
内々定が告げられるタイミング
採用面接の場で内々定を告げられる方もいますが、その場では内々定を告げられず、数日経ってから電話で内々定を告げられるケースもあります。
最終合格者名簿の順位と二次面接での国税局職員からの評価によって、内々定を告げられるタイミングが異なってきます。
最終合格者名簿の順位が高く二次面接でA評価の方が最も早く内々定を告げられます。
採用面接後の電話については下記の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひ併せてご覧ください。
ちなみに、最終合格者名簿の順位が半分より上の順位であり、かつ二次面接でB評価であった私の友人は、採用面接の場で内々定を言い渡されたそうです。
採用面接の場では内々定を告げられず、採用面接から数日経ってから電話があった友人もいれば、9月、10月頃に電話があった友人もいました。
中には、採用面接を受けた国税局からの電話はかかって来ず、1月頃に第三志望の国税局から採用の電話がかかってきたと友人もいました。
この友人は、家からあまりに遠い国税局からの電話であったことから内定を辞退し、浪人をしてもう一度第一志望の国税局を受け直しました。
つまり、国税専門官の試験においては、最終合格の順位と二次面接の評価が非常に重要なのです。
内々定の連絡が来る順番について
各国税局で基準は異なっているかと思いますが、内々定が告げられる順番は、おそらく最終合格者名簿の順位を基準にしているかと思われます。
二次面接の評価のみを基準にして内々定を告げる順番を決めているようではなさそうです。
なぜなら、二次面接の評価がCであり最終合格者名簿では上位1割に入っていた友人は、採用面接の場で開始直後に内々定を言い渡されたそうです。
国税局側が二次面接の評価のみを基準に内々定を告げる順位を決めていた場合、この友人はおそらく採用面接の場で内々定をもらっていなかったことでしょう。
その一方で、二次面接の評価がBで最終合格者名簿の順位が低かった友人は、採用面接の場では内々定をもらえず、採用面接から数日後に内々定の連絡が来たそうです。
二次面接の評価はもちろん重要ですが、内々定を早くもらうためにはやはり最終合格者名簿の順位が重要になってきます。