国税専門官の専門記述試験は、選択科目制であり、5科目の中から1科目だけ選択し、回答していくことになります。
科目選択についての詳細は、以下の記事でご紹介させていただいたので、併せてご覧ください。
過去の出題傾向容から、私なりに2021年における国税の専門記述試験の出題範囲を分析する方法を紹介していきたいと思います。
また、この記事の後半では、私なりに考えた2021年の国税専門官の専門記述(経済)の出題予想をしていきたいと考えております。
ただし、この記事で紹介した分野が必ず出題されるとは限りませんので、ご承知おき下さい。
2021年の国税専門官の経済学専門記述を予想した記事を今年の頭の方に書きましたが、予想は外れました。
分析手法は決して特殊なものではありません。
過去問や試験結果から2021年度出題される可能性が高い試験分野を予想するものです。
私も実際に受験生の時、過去問やネットで調べた内容をまとめ、出題可能性が高い分野を自分なりに目星をつけて、重点的に勉強しました。
ぜひこの記事を参考に、自分で分析を重ね、出題予想をしてみてはいかがでしょうか。
出題予想の手順
１．過去問集を手に入れる
使用する過去問集は基本的には何でも構いません。
ただし、
①最新の過去問が掲載されているもの
②過去10年以上の出題分野が掲載されているもの
以上の2条件を満たしているものが望ましいです。
②の条件ですが、より多くの年度が掲載されていればいるほど良いでしょう。
なぜなら、過去の出題分野の情報が多ければ多いほど、出題分野のサイクルや出題内容を絞り込みやすいからです。
２．昨年、一昨年の出題分野に着目する
昨年または一昨年出題された分野は、今年に出題される可能性が低くなります。
また、毎年必ず出題されている分野は今年も出題される可能性が高いです。
数年おきにサイクルで出題されている分野にも注意します。
3.今年に出題される可能性が高い分野を予想する
2.で分析した過去の出題動向から、今年に出題される可能性が高い分野を予想します。
【重要】出題予想ポイント
出題予想をする上で以下のようなポイントに注目すると今年の出題範囲を絞ることができます。
①昨年または一昨年出題された分野は、今年に出題される可能性が低くなります。
②毎年必ず出題されている分野は今年も出題される可能性が高いです。
③数年おきにサイクルで出題されている分野にも注意します。
しかし、上記の要素は、全ての試験科目に該当するわけではありません。
国税専門官における専門記述試験は、過去の傾向から出題予想をすることが困難ではないことから、今回の記事で出題予想分析の方法をご紹介させていただきました。
上記3要件から判断して、今年の出題可能性が極めて低いと思われる分野、とりわけ昨年出題されたばかりのような分野は、対策を後回しにするもの1つの手段かと思います。
【必見】国税専門官(経済)の出題傾向
国税専門官の専門記述試験(経済)は、他の選択科目と比較しても難易度は、それほど難しくはありません。
専門記述の経済は、経済科目が苦手でなければ、お勧めしたい科目です。
ただし、専門択一の経済で手ごたえがあるからと言って必ずしも、専門記述で高得点をとれるわけではありません。
注意していただきたい方は、択一試験の典型的な問われ方のパターンに頼り切ってしまっている方です。
論理的に記述するためには、しっかりとグラフや理論の理解をする必要があるからです。
出題の形式が誘導型であることから、小問⑴から⑶まで順番に論理展開していけば、比較的スムーズに解いていくことが出来ます。
⑵や⑶において⑴で扱った値を使用することはよくあります。
過去10年以上前からそれほど難易度の高い問題はないように思われます。
日頃の専門択一の学習において、専門記述で出題される可能性がありそうな分野をより深く学習していくことが効果的だと思います。
過去の出題内容
平成17年：ニ期間モデル(ミクロ)
平成18年：AD＝AS分析(マクロ)
平成19年：最適労働供給(ミクロ)
平成20年：課税の効果と余剰分析(ミクロ)
平成21年：フィリップス曲線、IAD=IAS分析(マクロ)
平成22年：上級財、価格弾力性、ギッフェン財等(ミクロ)
平成23年：平均費用逓減産業(ミクロ)
平成24年：外部効果、コースの定理(ミクロ)
平成25年：上級財、価格弾力性、ギッフェン財等(ミクロ)
平成26年：フィリップス曲線、IAD=IAS(マクロ)
平成27年：IS=LM分析、クラウディングアウト、流動性のわな(マクロ)
平成28年：上級財、価格弾力性、ギッフェン財等(ミクロ)
平成29年：マンデル＝フレミンング・モデル(マクロ)
平成30年：生産関数、サンクコスト、平均総費用と限界費用(ミクロ)
令和元年：貨幣需要、中央銀行の政策、ハイパワードマネーの定義と信用乗数(マクロ)
令和 2年：マンデル＝フレミング・モデル(マクロ)
国税専門官の経済の専門記述試験は、年度ごとに、ミクロ経済→マクロ経済→ミクロ経済と繰り返しをするのが一般的な傾向です。しかし、近年の国税は、ミクロ経済からの出題が気持ち多いように感じます。
令和元年はサイクル通り、マクロ経済から出題された年でした。
しかし、令和2年は令和元年と同じくマクロ経済から出題され、サイクル通りとはなりませんでした。
必ずしもサイクル通りとは限りません。
サイクルを考えると、今年はミクロ経済から出題の出題可能性が比較的高いのではないでしょうか。令和2年まで２年連続でマクロ経済から出題されています。
ただし3年連続で同じ分野から出題された年も過去何度かあったことから、ミクロ経済に絞ってしまうことは危険です。
ミクロとマクロの両方をしっかりと学習しましょう。
国税専門官の専門記述における詳細な過去問は、国家専門職の過去問500シリーズ等にも掲載されていますので、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
【必見】国税専門官(経済)の出題予想
気になるのが、2021年(令和3年)の出題予想ということになります。
近年の出題サイクルから考察すると、今年はミクロ経済からの出題可能性が若干高めであるといえます。
しかし、2020年(令和2年)のように連続してマクロ経済からの出題も考えられなくはありません。
あくまでサイクルを考えると、ミクロ経済からの出題可能性がやや高めであるということです。
では、さらに踏み込んで、具体的にどのようなぶ分野から出題されるのか、私なりに考えてみました。
その結果が以下です。
ミクロ経済からは、課税の効果と余剰分析、外部効果、平均費用逓減産業、最適労働供給「上級財、価格弾力性、ギッフェン財等」などが怪しいです。
これらは、過去１０年以上前に出題されている分野であり、よくリメイク版が出題されているからです。
マクロ経済からは、AD＝AS分析、IS=LM分析、IAD＝IAS分析あたりの出題が考えられます。
上記の内容は、すべて私的な見解ですので、今回の出題予想した分野が必ずしも出題されるとは限らず、信憑性も定かではありません。
万が一予想が外れた場合でも責任は負いかねますので、よろしくお願いいたします。
今回ご紹介した分析方法を参考に、自分なりの出題予想をしてみてはいかがでしょうか。