国税専門官の専門記述試験は、選択科目制であり、5科目の中から1科目だけ選択し、回答していくことになります。
科目選択についての詳細は、以下の記事でご紹介させていただいたので、併せてご覧ください。
過去の出題傾向から、私なりに2020年度における国税の専門記述試験の出題範囲を分析する方法を紹介していきたいと思います。
また、この記事の後半では、私なりに考えた2020年度の国税専門官の専門記述出題予想をしていきたいと考えております。
ただし、この記事で紹介した分野が必ず出題されるとは限りませんので、ご承知おき下さい。
ちなみに2020年度の国税専門官の憲法専門記述を予想した記事を昨年投稿しており、予想を的中させることができました。
2020年度の出題予想で「統治分野の出題が高めである」とし、さらに「統治分野では司法権の独立が怪しい」と予想しており、見事的中させることができたところです。
分析手法は決して特殊なものではなく、過去問や試験結果から2021年度出題される可能性が高い試験分野を予想するものです。
私も実際に受験生の時、過去問やネットで調べた内容をまとめ、出題可能性が高い分野を自分なりに目星をつけ、重点的に勉強しました。
ぜひこの記事を参考に、自分で分析を重ね、出題予想をしてみてはいかがでしょうか。
出題予想の手順
1.過去問集を手に入れる
使用する過去問集は基本的には何でも構いません。
ただし、
①最新の過去問が掲載されているもの
②過去10年以上の出題分野が掲載されているもの
以上の2条件を満たしているものが望ましいです。
②の条件ですが、より多くの年度が掲載されていればいるほど良いでしょう。
なぜなら、過去の出題分野の情報が多ければ多いほど、出題分野のサイクルや出題内容を絞り込みやすいからです。
2.昨年、一昨年の出題分野に着目する
昨年または一昨年出題された分野は、今年に出題される可能性が低くなります。
また、毎年必ず出題されている分野は今年も出題される可能性が高いです。
数年おきにサイクルで出題されている分野にも注意します。
3.今年に出題される可能性が高い分野を予想する
2.で分析した過去の出題動向から、今年に出題される可能性が高い分野を予想します。
【重要】出題予想ポイント
出題予想をする上で以下のようなポイントに注目すると今年の出題範囲を絞ることができます。
①昨年または一昨年出題された分野は、今年に出題される可能性が低くなります。
②毎年必ず出題されている分野は今年も出題される可能性が高いです。
③数年おきにサイクルで出題されている分野にも注意します。
しかし、上記の要素は、全ての試験科目に該当するわけではありません。
国税専門官における専門記述試験は、過去の傾向から出題予想をすることが困難ではないことから、今回の記事で出題予想分析の方法をご紹介させていただきました。
上記3要件から判断して、今年の出題可能性が極めて低いと思われる分野、とりわけ昨年出題されたばかりのような分野は、対策を後回しにするもの1つの手段かと思います。
【必見】国税専門官の出題傾向
国税専門官の専門記述試験(憲法)は、事例等の紹介があった上で問題文の指示に沿う形式が10年以上続いてきました。
また、平成20年前後から難化傾向になっており、事例を踏まえた条文の発展的な問題を問うものも出題されてきました。
しかし、ここ2、3年の国税専門記述における憲法は解きやすいものになってきています。
しかし、令和2年は、司法権の独立に関しその意義及び具体的な内容について、司法権の独立の侵害が問題となった事件も踏まえながら回答するもの、さらに令和元年は、学問の自由の趣旨・内容と大学の自治の2点について判例を踏まえながら回答するものであり、平成30年の衆議院解散に関する問題と同様、しっかりと対策していれば、決して解けない問題ではありませんでした。
平成29年までは、国税専門官の専門記述における憲法は、難易度が高く、取っ付きづらいものでしたが、ここ2、3年でそのイメージが払拭されつつあります。
平成30年度~令和2年度のような形式の問題が今後のトレンドを形成していけば、国税専門官の憲法は、受験生にとって比較的解きやすいものになることが考えられます。
過去の出題内容
平成21年:住民投票に関する問題(統治分野)
平成22年:職業選択の自由に関する問題(人権分野)
平成23年:泉佐市民会館事件に関する問題(人権分野)
平成24年:消極的表現の自由に関する問題(人権分野)
平成25年:船橋図書館事件に関する問題(人権分野)
平成26年:衆議院の解散に関する問題(統治分野)
平成27年:幸福追求権に関する問題(人権分野)
平成28年:西陣ネクタイ事件に関する問題(人権分野)
平成29年:津地鎮祭事件に関する問題(人権分野)
平成30年:衆議院の解散に関する問題(統治分野)
令和元年:学問の自由と大学の自治に関する問題(人権分野)
令和2年:司法権の独立に関する問題(統治分野)
国税専門官の憲法の専門記述試験は、裁判所同様に、年度ごとに、人権に関する分野→統治に関する分野→人権に関する分野と繰り返しをするのが傾向です。
しかし、近年の国税は、人権分野からの出題がやや多いように感じます。
令和2年はサイクル通り、統治分野の年でした。
そのため、2021年(令和3年)は、人権分野から出題の出題可能性が比較的高いのではないかと考えています。
ただし、10年以上前には統治分野からの出題が2年連続であったことから、人権分野に絞ってしまうことは危険です。
人権分野を優先的に学習しつつ、統治分野もしっかりと学習しましょう。
国税専門官の専門記述における詳細な過去問は、国家専門職の過去問500シリーズ等にも掲載されていますので、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
【必見】国税専門官の出題予想
そこで気になるのが、2021年(令和3年度)の出題予想ということになります。
近年の出題サイクルから考察すると、2021年は人権分野からの出題可能性が高めであることがいえます。
しかし、立て続けに統治分野からの出題がなされる可能性も捨てきれません。
あくまで近年の傾向としては、人権分野からの出題可能性が高めであるということです。
では、さらに踏み込んで、具体的にどのような分野から出題されるのか、私なりに考えてみました。
その結果が以下です。
人権分野からは、生存権、信教の自由・政教分離、外国人の人権、法人の人権あたりの出題の可能性が高いといえます。
これらは、過去20年以上前に出題されている分野でありリメイク版が考えらえれるからです。
ちなみに統治分野からは、国政調査権、独立行政委員会、地方自治、司法権の限界、違憲審査権などが怪しいです。
今回ご紹介した分析方法を参考に、自分なりの出題予想をしてみてはいかがでしょうか。
これらは、過去20年以上前に出題されている分野でありリメイク版が考えらえれるからです。
万が一予想が外れた場合でも責任は負いかねますので、よろしくお願いいたします。
上記の内容は、すべて私的な見解ですので、今回の出題予想した分野が必ずしも出題されるとは限らず、信憑性も定かではありません。