【公務員試験】オリジナル問題シリーズ 第5回 ミクロ経済の予想問題

ミクロ経済学
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引き続き、オリジナル問題シリーズとして、公務員試験向けに私が作成したオリジナル問題をご紹介させていただきます。

公務員試験の問題演習は、基本的に過去問をひたすら解いていくスタイルで十分かと思います。本シリーズは、繰り返し過去問を解いてきたために、問題慣れしてしまったという方を対象に問題提供をしていくことを目的として始動しました。ぜひお時間があるときに、オリジナル問題シリーズの問題にもチャレンジしてみてください。 今回はミクロ経済学の定番問題1問作成しましたので、ご紹介させていただきます。

問題

次の図は、2財(第1財、第2財)及び2消費者(消費者AとB)からなる純粋交換経済におけるエッジワースボックスと呼ばれるものである。

OAとOBはそれぞれ消費者Aと消費者Bの原点を、点Hはこの経済における財の初期保有点を表している。また、線分CC’は、予算線をあらわしており、曲線EE’は契約曲線を表している。AA’で表された無差別曲線は、消費者Aの無差別曲線であり、BB’で表された無差別曲線は、消費者Bの無差別曲線である。両消費者ともより多くの財を消費すれば効用が増加するものとする。

次のア〜オの記述のうち、妥当なものをすべて挙げているのはどれか。

なお、点F、点G、点Hは予算制約上の点であり、点Fと点Hは無差別曲線AA’、無差別曲線BB’の交点です。また、 点Kは無差別曲線AA’上の点であり、点Jは予算線上の点です。そして。点IとGは契約曲線上の点です。

ア 点Gの配分では、消費者Aと消費者Bの限界代替率が等しく、パレート効率が実現している。

イ 点Hの配分は市場均衡として実現できるが、パレート効率的な配分ではない。

ウ 初期保有点が点Hから点Jに移行してた場合でも、競争均衡は、点Gで変化しない。

エ 点Fの配分から点Kの配分への移行はパレート改善だが、点Fの配分から点Hの配分の移行はパレート改善ではない。

オ 点Iは、パレート最適な配分であるが、点Hのコア配分ではない。

1. ア、ウ

2. ウ、エ

3.イ、ウ、エ

4.ア、イ、エ、オ

5.ア、ウ、エ、オ

解説

正答 5

ア 妥当な記述です。点Gは、消費者Aと消費者Bの限界代替率が等しく、パレート効率が実現しています。

イ 妥当な記述ではありません。点Hは市場均衡を実現しません。なぜなら、再配分を繰り返していくことによって、点Gによって行くはずであるからです。

ウ 妥当な記述です。厚生経済学の第2基本定理から、例えば、点Gを競争市場均衡として実現したい場合には、AとBの消費者両方の無差別曲線の点Gにおける直線CC’に初期保有点を再配分していけばよいので、初期保有点が点Hから点Jに変化した場合でも、競争均衡は点Gで変化しません。

エ 妥当な記述です。点Fの配分から点Kの配分への移行はパレート改善しています。なぜなら、点Kの配分に移動したことによって、消費者Aの効用は変化しないものの、消費者Bの効用は改善しているからです。同様に考えると、点Fの配分から点Hの配分の移行はパレート改善ではありません。なぜなら、いずれの消費者も効用が変化しないからです。

オ 妥当な記述です。点Iは、契約曲線上にあるためパレート最適な配分ですが、点Hのコア配分ではありません。

今回のポイント

覚えていきたい基本定理

厚生経済学の第1基本定理

任意の競争市場均衡配分はパレート最適の条件を満たしている。

厚生経済学の第2基本定理

任意のパレート最適条件を満たす配分は、適当な初期保有の再配分によって競争市場均衡配分として実現できる。

上記で挙げさせていただいた厚生経済学の基本定理は、しっかりとおさえておくことが重要です。