引き続き、オリジナル問題シリーズと題しまして、公務員試験向けに私が作成したオリジナル問題をご紹介させていただきます。
公務員試験の問題演習は、基本的に過去問をひたすら解いていくスタイルで十分かと思います。ところが、繰り返し過去問を解いてきたために、問題慣れしてしまったという方がいらっしゃるかと思います。
本シリーズは、そのような方を対象に問題提供をしていくことを目的として始動しました。ぜひお時間があるときに、オリジナル問題シリーズの問題にもチャレンジしてみてください。
今回も判断推理の定番問題1問作成しましたので、ご紹介させていただきます。
問題
色付きの箱が赤色と青色の2種類あり、それぞれ6箱ずつ計12箱ある。
赤色と青色のいずれにも、クマ、犬、猫のぬいぐるみが2体ずつ入っている。A〜Eの5人が2箱ずつ開けた。そのとき次のような発言をした場合、残った2箱について確実に言えるのはどれか。
A「別々の色の箱を開けたところ、その1つは猫であった。」
B「別々の色の箱を開けたところ、その1つは猫のぬいぐるみで、もう1つの中身はAとは違っていた」
C「赤色の箱を2つ開けたところ、中身の組み合わせがAと一致しており、その1つはいぬのぬいぐるみであった。」
D「青色の箱を2つ開けたところ、中身の組み合わせがBと一致していた。」
E「別々の色の箱を開けたところ、中身も別々で、赤色の箱はAが食べた青色の箱と中身が一致していた。」
1.赤色でクマのぬいぐるみと赤色で犬のぬいぐるみ
2.青色で犬のぬいぐるみと青色で猫のぬいぐるみ
3.赤色でクマのぬいぐるみと青色で犬のぬいぐるみ
4.赤色で犬のぬいぐるみと青色で猫のぬいぐるみ
5.赤色で猫のぬいぐるみと青色でクマのぬいぐるみ
解説
正答 3
色と中身の両方が分かっている人は多くありません。色やぬいぐるみのどちらかのみが分かっており、全員2個ずつであることも分かっていることから、各人の2箱の箱について色と中身がわかるような表を作るとうまくまとめることができます。
しかし、表中に合計の数値は表すことごできません。そこで常に埋めながら合計の個数を意識する必要が出てきます。
A〜Eにおける条件の前半は、ぬいぐるみの色が分かっているので、以下のようになります。
ぬいぐるみについては、AとBの記述が多くあることから、AとBのぬいぐるみについて注目すると良いです。
Aは1つが猫のぬいぐるみが入っている箱を開けており、Cは犬のぬいぐるみが入った箱を開けていることから、猫のぬいぐるみと犬のぬいぐるみになります。
Bは猫のぬいぐるみであり、もう1つはAと中身が異なるので、クマのぬいぐるみになります。
DはBと中身が一致しているので、猫とクマであり、Dは2箱とも青色の箱なので、色も中身も一致します。
さらにA〜Dで猫のぬいぐるみは4体あることになります。そのため、Eは猫のぬいぐるみが入っていることはあり得えず、クマのぬいぐるみと犬のぬいぐるみになります。
Eの赤色の箱は、Aの青色の箱と中身が一致しているので、これは2人が共通する犬のぬいぐるみであることから、Aの青色の箱とEの赤色の箱、のこったAの赤色の箱は猫のぬいぐるみであり、Eの青色の箱は、クマのぬいぐるみでということになります。
残ったBについて、すでに赤色の箱に入っている猫のぬいぐるみは、AとCが開けているので、赤色の箱は、クマのぬいぐるみであり、残った青色の箱は、猫のぬいぐるみということになります。よって、残っている箱は、赤色でクマのぬいぐるみと青色で犬のぬいぐるみが入っていることになります。正答3。
対応関係のポイント
今回の問題は、判断推理の中でも対応関係と呼ばれるジャンルの問題です。
対応関係の問題は、表を使って条件をまとめていく作業が基本です。
表を作っていくときに必ず意識してもらいたいのことが、合計欄を作ることです。
合計欄を作り、常に合計数を意識しながら表を埋めていくとうまくいくことが多いです。数量から判断して確実に「〇」や「×」が入る場所を絞り、その「〇」や「×」を利用して、ほかの条件が埋まらないかと考えていくプロセスがよく見受けられる解き方のパターンです。