公務員試験における筆記試験の難易度は、国家総合職を除き多くの試験種で大学入試より難易度が低いといえます。
そのため、偏差値が高い大学に進学していなくとも合格することができます。
大学入試で勉強した内容が出題されることはありますが、問題の難易度が違うのです。
今回は、大学入試と比べた公務員試験の難易度について詳しいご紹介していきたいと思います。
公務員試験の問題の特徴
公務員試験と高校受験や大学受験を比較して大きく異なる特徴の一つに、出題範囲の広さがあります。
公務員試験の筆記の中でも特に教養試験は、様々な科目から広く浅く出題されます。
公務員試験の問題の特徴は、広く浅くです。
そのため、1問1問でそこまで深く問われることはありません。
特に大学入試と比較する場合、教養試験の物理、化学、生物、地学等の理科系科目や世界史、日本史、地理、倫理等の歴史系科目は、その傾向がよく見られます。
こうした暗記系科目に限らず、現代文や英文の問題もセンター入試レベルより簡単です。
大学センター入試と比べた難易度
公務員試験の教養試験を大学センター入試と比較しても、センターより簡単であるといえます。
その理由は、2つあります。
1つ目は、問題自体の難易度が高くないことです。
教養試験の出題科目を一つずつ見ていきます。
数的推理
小学校、中学校の算数、数学の問題です。センターの数学より難易度ははるかに低いです。
判断推理
センターの数学とは少し性質の違う問題です。ただし、センターの数学よりも短期間で解くことができる問題です。
空間把握
小中学校の図形の問題です。センター数学の図形問題よりも難易度が低いといえます。
資料解釈
表やグラフからデータを正確に読み取る問題です。使用する計算は、小学校の算数であるため、センター数学よりもはるかに難易度は低いといえます。
現代文
1問1問の出題文の文字数がセンター現代文より少なく、問われる内容もセンター現代文より簡単で、明らかにおかしな選択肢が多いために解きやすい傾向にあります。
慣れてくると、1問3、4分で解くことができます。
センター現代文より難易度が低い問題で構成されており、出題数も多くなっています。
英文
センター英語よりも英文の文字数が少ないです。選択肢も簡単で絞りやすい傾向にあります。特に地方上級やBC日程市役所は、文字数が少なく、問題の難易度も低いです。
文章を構成する単語は、センター英語とさほど変わりません。
日本史
センター日本史よりも簡単であり、マニアックな人物等を聞かれることはありません。
高校日本史の登場人物では、頻出度がかなり高い人物や事件等から出題されます。
難易度としては、中学の日本史と高校の日本史の中間ぐらいでしょうか。
捨て科目としてはあまりお勧めしません。
世界史
センター世界史よりも簡単であり、マニアックな人物等を聞かれることはありません。
高校世界史の登場人物では、頻出度がかなり高い人物や事件等から出題されます。
中学の世界史よりは難易度が高く出題範囲も広くなっています。
世界史に関しては、高校世界史の難易度を落としたものと理解していただければ差し支えないでしょう。
地理
高校の地理より問われる内容が易しめであり、少し対策をすれば、高校の時に地理を学習していなくともできるようになります。
捨て科目にはお勧めしません。
思想
高校の倫理にあたる科目です。高校倫理よりもはるかに難易度が低く、学習範囲も狭いため、お勧め科目です。
捨て科目にしてはもったいないといえます。
数学
高校数学から出題されます。センター数学よりも難易度は低いです。
ただ、地方公務員しか出題されないので学習効率は低めです。
物理
高校物理よりも難易度が低く簡単です。計算問題もあまり複雑ではありません。
化学
高校化学よりも難易度が低く簡単です。計算問題もあまり複雑ではありません。簡単な化学式が出題される年もあれば、周期表をもとにした問題が出題される年もあります。
無機からもも有機からも出題されるため、中学というよりかは高校の内容です。
生物
生物の難易度もセンターと比べて簡単です。
センターの問題よりも浅く問われます。
地学
地学の難易度もセンターと比べて簡単です。
センターの問題よりも浅く問われます。
政治
高校でいうところの公民です。
難易度はセンターとあまり変わりません。
経済
高校でいうところの公民です。
難易度はセンターとあまり変わりません。
法律
高校では学習していない内容です。
大学入試センターでは出題されません。
国際
高校では学習していない内容です。
大学入試センターでは出題されません。
時事問題
高校では学習していない内容です。
大学入試センターでは出題されません。
2つ目は、合格ボーダーが高くないことです。
センターの難易度よりも低いにもかかわらず、ボーダーラインは5〜6割です。
大学入試センターにおけるMARCHレベル(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)のボーダーは、5〜6割より遥か上です。
また、国公立大学の場合もセンター試験のボーダーは、5〜6割より上です。
偏差値60以上の大学に通う学生であるならば、公務員試験の筆記のボーダーラインは、大学入試のときのセンター試験と比べてかなり低いものとなっています。
公務員試験の合格者中には、偏差値50〜60あたりの大学に通う学生も多い印象です。むしろ偏差値65以上の大学に通っている方の場合、オーバースペックな学歴と言っても過言ではないくらいかと思います。