公務員試験は、受験する試験種ごとで出題される科目が異なるため、
どの科目を勉強するのか自分が受験する試験種と相談しながら決める必要があります。
では代表的な試験種で出題される科目をご紹介していきます。
地方公務員編はこちらでご紹介しています。
以下、太字・赤字で表記されている科目が選択科目です。
それ以外の太字ではない表記の科目は、必ず選択しなければならない必答科目です。
裁判所一般職
70問
教養試験(全問必答) 40問 解答時間:180分
一般知能 27問
数的処理17問(数的推理⑧、判断推理⑧、資料解釈①)
文章理解10問(現代文⑤、英文⑤)
一般知識 13問
人文科学4問(日本史①、世界史①、地理①、思想①)
自然科学4問(物理①、化学①、生物①、地学①)
社会科学5問(政治①、法律①、経済①、社会①、時事①)
専門科目 30問 解答時間:90分
必須科目 20問
憲法7問
民法13問
選択科目 10問 2科目中1科目選択
刑法10問or経済理論10問(ミクロ経済、マクロ経済)
※裁判所一般職試験は、刑法または経済理論どちらか1科目選択制です。
裁判所一般職の志望度が高い方は、刑法の選択をお勧めします。
難易度が比較的低く職場で生かすことができるからです。
ただし、他の併願先で刑法を選択できない場合、効率が悪くなってしまうことが考えられます。裁判所一般職の志望度と併願状況を合わせて相談することをおすすめします。
私は、経済理論を選択しました。経済理論は他の多くの試験種でも選択できるからです。
とはいうものの、刑法と経済理論それぞれ難易度は、年によってばらつきがあり、刑法が難しい年もあれば経済理論が難しい年もあるため、どちらが有利とは言い切れません。
自分が得意か不得意かが一つの判断指標になるかも知れません。
国税専門官
80問
教養試験(全問必答) 40問 解答時間:140分
一般知能 27問
数的処理16問(数的推理⑦、判断推理⑥、資料解釈③)
文章理解11問(現代文⑥、英文⑤)
一般知識 13問
人文科学4問(日本史①、世界史①、地理①、思想①)
自然科学3問(物理①、化学①、生物①or地学①)
社会科学6問(政治①、経済①、社会①、時事③)
専門科目 40問 解答時間:140分
必須科目 16問
民法6問
商法2問
会計学8問
選択科目 24問 9科目中4科目選択
法律6問(憲法③、行政法③)
経済6問(ミクロ経済、マクロ経済、経済事情)
財政学6問
経営学6問
学系科目6問(政治学③、社会学②、社会事情①)
英語6問
商業英語6問
情報数学6問
情報工学6問
少し補足しますと、
学系科目6問(政治学③、社会学②、社会事情①)は、学系科目6問分が1科目分です。
ですから、他の財政学や経営学が1科目分であるのと同じで、学系科目6問が1科目分なのです。
つまり、学系科目6問を選択する場合、政治学と社会学と社会事情の3科目分を勉強する必要する必要があるというわけです。
経営学は、1科目分で済みます。
こうしたことから、学系科目6問は、コスパ的にあまりお勧めできません。
国税専門官の志望度がかなり高いのであれば、
「憲法・行政法」、「ミクロ経済・マクロ経済・経済事情」、「財政学」、「経営学」を選択することをおすすめします。
国税専門官の志望度があまり高くない方は、
「憲法・行政法」、「ミクロ経済・マクロ経済・経済事情」、「財政学」、学系科目「政治学・社会学・社会事情」を選択することをおすすめします。
両者の違いは、「経営学」か「政治学・社会学・社会事情」かの違いです。
なぜ志望度が高いと「経営学」なのか、それは、国家専門職の「経営学」の場合、難易度があまり高くないからです。
さらに経営学を選択した場合、経営学1科目を勉強すれば良いのです。学系科目「政治学・社会学・社会事情」を選択した場合、政治学と社会学と社会事情の3科目を勉強する必要があります。
国税専門官の志望度が高くない方に学系科目を勧める理由は、学系科目の勉強が他の試験種に活きてくるからです。
国税の志望度が高かない方は、他の試験種が第一志望なわけですから、なるべく第一志望で課される科目を選択しましょう。
政治学や社会学、社会事情は、他の試験種でもよく出題されます。
社会事情は、社会保障に関する時事問題や社会政策(社会福祉系問題)の問題です。
科目選択で重要なことは、他の試験種でも出題される科目をなるべく選択することです。
民法、会計学、商法は、必須科目なので選択せざるを得ません。
ちなみに私は、
「憲法・行政法」、「ミクロ経済・マクロ経済・経済事情」、「財政学」、学系科目「政治学・社会学・社会事情」
を選択しました。
国税専門官の志望度が高いのであれば、「経営学」を選択するのが無難だと思います。
また、英語が得意であれば「英語」を選択する
国税専門官の志望度が高い方は、会計学の勉強を強く勧めます。
会計学は必ず選択しなければならない必須科目であり、配点も8点と高いからです。
また比較的難易度も低く、短期間で習得可能です。
会計学を勉強して国税専門官試験を受験する受験生は少ないため、ライバルに差をつけることができます。
私も会計学を直前1か月間勉強し、試験当日は8問中6点を取ることができました。
会計学で点数を稼ぐことで、一次試験合格がぐっと近づきます。
財務専門官
80問
教養試験(全問必答) 40問 解答時間:140分
一般知能 27問
数的処理16問(数的推理⑦、判断推理⑥、資料解釈③)
文章理解11問(現代文⑥、英文⑤)
一般知識 13問
人文科学4問(日本史①、世界史①、地理①、思想①)
自然科学3問(物理①、化学①、生物①or地学①)
社会科学6問(政治①、経済①、社会①、時事③)
専門科目 40問 解答時間:140分
必須科目 28問
法律14問(憲法⑥、行政法⑧)
経済14問(ミクロ経済③、マクロ経済③、経済事情②、財政学⑥)
選択科目 12問 8科目中2科目選択
法律6問(民法⑤、商法①)
会計学6問
経営学6問
統計学6問
学系科目6問(政治学③、社会学③)
英語6問
情報数学6問
情報工学6問
財務専門官試験では、政治学、社会学を選択することは、あまりお勧めできません。
なぜなら、国家系の政治学や社会学は、難易度が高いからです。
英語が得意なのであれば「英語」を選択すると良いでしょう。
また、「経営学」もお勧めです。
国家一般職の経営学は難易度が高いため、お勧めできませんが、国税専門官や財務専門官という国家専門職の経営学は、難易度がそれほど高くなく、割と基本的な問題が多いためお勧めです。
ちなみに私の周りでは、「民法・商法」と「政治学・社会学」もしくは、「民法・商法」と「経営学」を選択している人が多かったように思います。
国家一般職
80問
教養試験(全問必答) 40問 解答時間:140分
一般知能 27問
数的処理16問(数的推理⑦、判断推理⑥、資料解釈③)
文章理解11問(現代文⑥、英文⑤)
一般知識 13問
人文科学4問(日本史①、世界史①、地理①、思想①)
自然科学3問(物理①、化学①、生物①or地学①)
社会科学6問(政治①、経済①、社会①、時事③)
専門科目 40問 解答時間:180分
選択科目 40問 16科目中8科目選択
政治学6問、行政学6問、
憲法6問、行政法6問
民法Ⅰ(総則と物権)6問
民法Ⅱ(債権と家族法)6問
ミクロ経済6問、マクロ経済6問
財政学・経済事情6問、経営学6問
国際関係6問、社会学6問
心理学6問、教育学6問
英語(基礎)6問
英語(一般)6問
国家一般職試験は、
憲法、行政法、民法Ⅰ、民法Ⅱ、ミクロ経済、マクロ経済、財政学・経済事情、政治学or社会学
をお勧めします。
最後の政治学or社会学は、どちらかを選択という意味です。これで8科目になります。
ちなみに私は、政治学ではなく社会学を選択しました。
なるべく、他の試験種と選択科目が被るように選ぶことが鉄則です。
そういった意味では、まず選択するべき科目として、憲法、行政法、民法1、民法2、ミクロ経済学、マクロ経済学、財政学・経済事情をお勧めします。
この時点で、7科目選択しています。
あと1科目は、政治学、社会学、英語(基礎)から選択することをお勧めします。
なぜ政治系科目(政治学、経営学、国際関係、社会学、行政学)の中でも政治学と社会学を取り上げたのか。それは、汎用性が高いからです。
この2科目は、地方上級や国家専門職でも出題される科目です。
ただし、政治系科目(政治学、経営学、国際関係、社会学、行政学)を積極的に選択することは、あまりお勧めできません。少し難易度が高いからです。
英語が得意であれば、英語(基礎)、英語(一般)を選択することをお勧めします。
私は、英語に苦手意識があったため、選択しませんでした。
しかし、以前と比べると政治系科目の難易度が下がってきています。年によって難易度はまちまちです。