【官庁研究】地方運輸局について【国家一般職編】

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官庁研究シリーズの国家一般職第7回です。 今回は、国土交通省の出先機関である、地方運輸局についてお話ししていきたいと思います。 

地方運輸局は、国土交通省の出先機関として地域の交通観光行政に携わっています。

地方運輸局とは

自動車の検査・登録を通じて健全な自動車社会の発展に貢献するとともに、鉄道、バス、タクシー、トラック、船舶等の交通モードの安全性・利便性を高めるための支援を行っています。

また、観光振興を通して活力ある地域づくりを支援するとともに、この地域における国内外との交流の促進を図っています。

管轄内の各県には運輸支局・事務所があり、各県における自動車の検査・登録、海事関係の窓口として、また交通・観光に関する身近な相談先として地域と密着しながら住みよい社会の実現を目指しています。

地方運輸局の業務内容

➀安全・安心な交通環境の確保

運輸事業の安全・安心の確保は、国民の最大の関心事であり、最重要課題の一つです。

国民の生活・経済を支える鉄道、バス、タクシー、トラック、船舶などの運輸事業の

事故等を未然に防止し、安全・安心な交通環境を確保するための施策を推進しています。

事業者指導

輸送の安全確保に係る法令等の遵守状況を確認するために、運輸事業者の事業場等に立ち入り、運行の管理や輸送施設の安全性などのチェックを行うための監査等を実施しています。

法令違反が認められた場合には、事業の適正化のための改善指導を行うとともに、必要に応じ輸送施設の使用停止等の行政処分を実施します。

また、法令上問題があると認められる事業者への重点的な監査の実施や行政処分基準の見直しなど安全確保に係る取り組みを強化しています。

自動車の安全の確保

自動車の検査や登録を通じて、国民の安全で安心できる生活をサポートします。また、自動車の安全、環境の保全や事故防止を確保するために、自動車整備事業の健全な発展に取り組んでいます。

点検整備の推進や不正改造車の排除に取り組むことにより、自動車の安全や事故防止に対するモチベーションを高める活動を行っています。

船員、船舶などの海上運送の安全確保のための施策の推進

船員、船舶など海上運送のソフト・ハードが一体となった安全確保のための施策を推進します。

国際基準等に基づき、船舶の航行安全や船舶による海洋汚染防止のため船舶検査及び外国船舶への監督業務等を実施し、海上における安全確保・海洋環境の保全を図ります。(2006年より船舶検査等実施組織にISO9001を導入し行政サービスの高品質化・均一化を進めています。)

船舶の運航管理・船員労働の保護を通じて船舶航行の安全確保に取り組んでいます。

②観光による地域振興の推進

平成28年3月に、政府は今後の観光政策の中長期的な方針となる「明日の日本を支える観光ビジョン」を策定しました。この観光ビジョンでは、2020年までに、訪日外国人旅行者数4000万人、訪日外国人旅行消費額8兆円等の新たな目標を掲げ、「観光先進国」の実現に政府一丸となって取り組むこととされました。運輸局では、観光ビジョンに掲載された施策を具体的な取組として推進を図り、観光による地域振興を推進しています。

③公共交通の充実による豊かな地域づくりの推進

生活交通の存続が危機に瀕している地域等において、地域の特性・実情に合った最適な交通手段が提供され、また、バリアフリー化やより制約の少ないシステムの導入等移動に当たっての様々な障害が解消されるよう、地域公共交通の確保・維持・改善を支援するとともに、公共交通の充実による豊かな地域づくりを推進しています。

バリアフリーの推進

高齢者、障がい者等が公共交通機関を利用しやすく、誰もが自立できるバリアフリー社会の実現を目指して、バスターミナル・タクシー乗り場・鉄道駅におけるバリアフリー化のための施設整備や旅客船のバリアフリー化設備整備に対する支援、ノンステップバス・リフト付きタクシー等の導入を推進しています。

また「バリアフリー教室」の開催等により、鉄道駅等で移動に困難を感じている人を積極的にお手伝いできる「心のバリアフリー」を推進しています。

④産業に不可欠な物流の確保

産業競争力の強化、豊かな国民生活の実現と地方創生を支える社会インフラとして、今後の社会構造やニーズの変化に対応した取組を推進します。

連携・協働による物流の効率化

複数の事業者が連携・協働した物流を実施することによって、トラックの積載率の向上、倉庫やトラックの稼働率の向上、コスト削減等を図り、物流の総合化・効率化の取り組みを推進しています。

また、港湾や高速道路のインターチェンジ周辺等、物流の結節点として効果的な立地への物流施設の誘導を促進するとともに、トラックによる輸送から大量輸送が可能で、CO2排出原単位が小さい貨物鉄道や内航船舶へ転換する「モーダルシフト」、大型トラック1台で2台分の輸送が可能な「ダブル連結トラック」の普及を促進しています。

地域における人口減少、高齢化への対応

人口減少により地域の物流量が減少した場合、配送の小口化による物流の採算性が低下することが懸念されるとともに、高齢化が進む中山間地域や離島等では日常生活に必要となる物品の配送手段の確保が課題となっています。

これらの課題に対応し、持続可能な物流を提供していくために、乗合バスや旅客鉄道の車内に貨物を積載して輸送する「貨客混載」等の地域内共同輸配送の取組を進めています。

女性や若者をはじめ、誰もが活躍できる労働環境の整備

女性や若者等の多様な人材が物流分野で活躍できるよう、荷役の機械化等を通じた労働負荷の軽減、非熟練者による作業の容易化等、働きやすい環境整備を図っています。

幹線輸送におけるトラックの「中継輸送」の取り組みや、物流施設への「トラック予約受付システム」の導入等、物流事業者間の連携による「手待ち時間」の削減のほか、トラック運送事業者のみの努力では長時間労働の改善をすることが困難な状況にあることから、関係者が協力して長時間労働の抑制とその定着を図っていくための取り組みを進めています。

また、業界団体やハローワーク等と連携して、職場体験会やセミナーを開催するなど、担い手の確保・育成に関する取り組みを進めています

⑤大規模災害に備えた防災体制の強化

巨大地震が発生した場合、甚大な被害が想定されている地域を管轄していることを踏まえ、大規模災害に備えた防災体制の強化に取り組んでいます。

国の機関として広域的な見地から、関係機関と連携し、被災地への応急対策、早期復旧などの支援を行うための対策を推進しています。

全国の地方運輸局

北海道運輸局

北陸運輸局

関東運輸局

北陸信越運輸局

中部運輸局

近畿運輸局

神戸運輸監理部

中国運輸局

四国運輸局

九州運輸局

参考文献

www.mlit.go.jp

wwwtb.mlit.go.jp

wwwtb.mlit.go.jp

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