面接や面接カードで聞かれる質問の中でよくあるもの一つに「最近気になった出来事(ニュース)は何か?」という質問があります。
私自身、この質問は、国家一般職、国税専門官、県庁、市役所で実際に質問されました。
予め質問される可能性が高いと分かっているものは対策の効果大です。
今回は、この質問に対する考え方とその対策法をご紹介していきたいと思います。
回答する上でのポイント
この質問の回答を考えるに当たって、心がけておいた方が良いことが3つあります。
①なぜそのニュースに興味を持ったのか説明できる
②受験先では、出来事・ニュースにどのような取り組みをすることができるか説明できる
③できれば社会経済問題がベター
面接では、なぜこの出来事(ニュース)ご気になったのか、興味を持ったのかが聞かれます。
当然この質問に対してしっかりと回答することができるようなものを選ぶ必要があります。漠然と大々的にニュースで取り上げられていたからでは、不十分でしょう。
興味を持ったニュースに対して、面接の受験先ではどのような取り組みをすることができるかについてですが、受験先の仕事を理解していないと回答できません。
逆に受験先の仕事を理解していれば、どのような取り組みをすることができるかについて多少なりともイメージが湧いてきます。
この質問対策が受験先の研究にも繋がり一石二鳥です。
さらに受験先の志望度の高い受験生は、受験先の研究を怠らず、仕事の理解もしているケースが大半です。
こうしたことから、面接官は興味を持ったニュースを質問することで受験者の志望度と受験先の仕事の理解を見極めています。
おそらく、面接本番当日に面接官から気になったニュースは何か?と聞かれることがあるかと思います。
しかし、面接官は、この質問をしただけでは終わらないケースが大半です。
その後に、国あるいは我が県、我が市ではその問題(出来事)についてどのような対処ができるかと問われます。
ここで回答に行き詰まってしまうと、本当に興味を持っている出来事なのか、本当にうちの官庁を志望しているのか、うちの仕事を理解していないし志望度が高いとは思えないなとなってしまうのです。
また、公務員の仕事は、社会経済問題の解決が大半です。
日頃から社会経済問題に興味を関心を持つ姿勢が特に公務員には求められます。
面接官はこの質問から何を見ているのか?
上記でご紹介したように、面接官は以下の点をこの質問から見ていると考えられます。
①受験先の志望度
②受験先の仕事の理解
③日頃の社会経済問題に対する関心度
面接官は、これらの点を「最近気になった出来事(ニュース)は何か?」という質問とその回答に対する深掘り質問で見ていることが窺えます。
受験者としては、この3点を満たすような出来事(ニュース)を選び、回答する必要があるのです。
この質問からさらに深掘りされる質問とは?
ここまでですでにご紹介させていただきましたが、再度おさらいの意味も込めて、「最近気になった出来事(ニュース)は?」という質問から深掘りされる質問をご紹介させていただきます。
◯なぜこの出来事(ニュース)に興味を持ったのか?
◯なぜこの問題が起きたと考えるか?
◯我が官庁ではこの問題に対してどう対処することができるか?
◯今後この問題は、どうなると考えるか?
◯他に気になったニュースは?
この辺り深掘り質問がメジャーです。
私も国家一般職の人事院面接、国税専門官と市役所の面接で上記の深掘り質問をされました。
この3つの試験種では、興味を持った理由と、その問題の対処方法を漏れなく質問されました。
この質問を考える上での注意点
上記でご紹介したように、最近気になった出来事を回答すると、その後に気になった出来事に対して深掘り質問が返ってきます。
ですから、自分の理解が浅い出来事(ニュース)をチョイスしてしまうと、墓穴を掘ってしまうことになりかねません。
自分がよく理解しているニュースを選ぶ、興味を持った出来事(ニュース)を質問された際に回答する題材を予め決めておいて、よく研究しておく必要があります。
どのようなニュースを選べばよいか?
ここまで心がけたいことを3つご紹介しましたが、具体的にどのようなニュースを選べば良いか分からないという方もいらっしゃるかと思います。
そこで、この質問に回答するコツをご紹介します。
それは、ずばり「受験先に関連するニュース」を取り上げることです。
受験先に関連すれば、上でご紹介した3つの心がけるべき点を網羅しやすくなります。
先ほどもご紹介しましたが、公務員が仕事とする分野は主に社会経済問題が大半だからです。
また、なぜ興味を持ったのかについて説明が容易になり、受験先ではそのニュースにどう対処できるのか説明しやすくなります。
受験先に関連したニュースであれば、受験先の志望動機とニュースに興味を持った理由が紐付き、ニュースに関心を持った理由が説明しやすくなります。
さらに、志望先の志望動機に一貫性が生まれるとともに、志望度の高さをアピールすることができます。つまり、一石二鳥なわけです。
興味を持ったニュースに対して、面接の受験先ではどのような対処をすることができるかについてですが、当然受験先に関連したニュースを選べば、受験先の職員がどう対処するかイメージが湧きやすくなります。
例えば、
国税専門官→税制改正の内容について
裁判所→裁判所の審理期間短縮化について
都道府県庁→都道府県で問題となっているニュース・社会問題
市役所→住民に身近なニュース・社会問題
などが考えられます。
関連したニュースでなくてもいいのか?
なるべく関連したニュースを選ぶことをおすすめします。
特に国家公務員の場合、省庁ごとで専門分野が分かれているため、受験先とは関係のない他の省庁の分野を回答してしまうと、なんでそのニュースに興味を持ったの?うちじゃなくて他の官庁の業務内容じゃない?と疑問を持たれてしまいます。
例えば、経済産業省を受験している受験者が、「豚コレラのワクチン接種問題について興味を持っています」と面接カードや面接で言ってしまったら、面接官は「あれそれ農林水産省の仕事じゃない?第1志望はうちじゃなくて農水省?」と疑われてしまうのです。豚コレラワクチンが全く経済産業省と関係がないわけではないですが、この問題で第一線に立っているのは農林水産省です。
これまで受験先と関連のある出来事・ニュースを勧めてきましたが、もう面接カードを提出してしまい、受験先と関連性が薄いニュースを書いてしまったという方もいらっしゃるかもしれません。
その方に朗報かもしれません。
受験先とはあまり関連性のないニュースを面接カードもしくは面接中で回答したとしても、合格できたという話は聞きます。私の先輩は、そのうちの1人です。
その先輩は、国税専門官を高順位で合格しました。
国税専門官の面接カードには、興味を持った出来事を書く欄があります。私の先輩は、ここにプロ野球の試合結果を書いたそうです。
面接でもプロ野球について少々触れられたそうですが、全く深掘りはされなかったそうです。
他の受験先の業務にも全く関係ないような出来事・ニュースだったからこそ、他の官庁に興味を持っていると思われず、逆に良かったのかもしれません。
国税専門官の面接は15分程度と短いこともありますが、多少の深掘りはあります。
そんな中、全く深掘りされなかったそうなので、おそらくこの質問に至るまでの志望動機や自己PRが良く、志望度も他の質問で高いと判断されたのだと思います。
正直、興味を持ったニュースがうまく答えられなかったとしても、合否には大きく響くことはあまりないでしょう。
面接は、様々な質問を通して総合的に判断されます。他の質問で志望度の高さや自己PRができれば問題ありません。